【蔵】平成27酒造年度 酒蔵だより3月号

酒造りも残り後1ヶ月ほどとなり、出品酒の上槽などで気が抜けない日々の合間にしたためた3月号。
緊張感と期待感がこちらにも伝わってくるようです。

記念撮影

先日、横綱・日馬富士関が激励に訪れた際の1枚。
左から、田中光平(酛師)、南部拓也(一般)、日置大作(杜氏)、日馬富士関、南部隆保(蔵元)、柏倉崇(頭)、藤井時弘(麹師)、直井雅嘉(原料処理)


「酒蔵まつり3月号」

出品酒はあと醪1本の斗瓶処理(滓引き、分注、瓶燗)を残すのみとなりました。いつもなら追水を多めに打ってアルコール度数を低めに抑えるのですが、今年は甘ぽちゃ系が並ぶと予想されるので、あえて追水をなるべく控えてガツンとくるのを目指しました。袋吊りの斗瓶取りも3本目以降きれいになり過ぎない様に工夫しました。企業秘密なので(笑)、酒の会等どこかでお会いできる時にお尋ね下さい。
【杜氏:日置大作】

大吟醸の上槽が続きます。袋吊りと槽搾り・・・緊張の毎日ですが、出来た酒を唎く時ホッとします。まだまだ、仕込は続きますが頑張ります。
【頭:柏倉崇】

吟醸麹は全て終わり、残りは精米歩合60%の麹のみとなりました。それはそれで、また違った大変さもありますが、とにかく甑倒しまであと一カ月程です。
【麹師:藤井時弘】

一月下旬に蔵体験のメンバーと一緒に仕込んだ生酛が、ついに旅立ちの時です。この独特の酸味と深い味わいを醸し出してくれた幾多の菌たちと、こんな素晴らしい技法を造り続けてくれた先人たちには、毎日味見しながら、ただただ感謝でいっぱいです。タンクの置いてある貯蔵蔵周辺にいつも漂っていた、芳ばしい香りがなくなってしまうのは少し残念ですが、あと2、3年もすれば程よく熟成したこのお酒を口にできるはずです。ここまできたので、後は気長に待つ事にしましょう。
【酛師:田中光平】

雪深い山の中。今日も雪が降る。恵みの雪だ。誰かが子供に聞いたそうです。「雪が解けたら何になりますか?」と聞きましたら、「春になります」と言う答えは、とてもとんちが効いてて笑ってしまいましたが、酒を造る者としては、「恵みの水になります」と答えたいです。雪が解け、山や大地に染み込み、田植えの水となり、米を作り、収穫し、もちろん酒を仕込む水にもなります。とても良質な水です。名水100選にもなるような綺麗な水で優れた日本酒を造れるなんて、こんな贅沢な事はありません。寒い朝だ。まだまだ仕込みは続いています。酒造りは身体が大事です。朝昼と美味しく頂いておりますが、夕食の時にいただく燗の酒が冷えた身体を温めてくれる。ありがたい。とてもありがたい。そして、暖かな食事に感謝してます。身体を気遣い、美味しい食事を作ってくださるスタッフの方たち、それと、ここ大野の気候にもありがとう。次のシーズンに向け、降っている雪が恵みの水となります。恵みの水で造った、恵みの酒を御堪能ください。頑張って造りますので。
【原料処理:直井雅嘉】

先月より出品酒等の上槽が始まり、忙しい時期を迎えています。慣れない作業や丁寧、迅速に行わなければならない事柄も多く作業中は中々気が休まりません。そんな中で楽しみにしているのが蔵体験や見学で来られる方達との出会いです。来られる方によっては10年以上、毎年花垣で酒造りの体験をされている方もおり、私なんかより昔から現在への花垣の酒造りをよく知っていらっしゃいます。甑倒しまで残るところ約1カ月になりますが、花垣に来られる方達との出会いを大切にしていきたいと考えています。
【一般:南部拓也】

16_3月号

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